16場所ぶりに関取に復帰した東十両13枚目の宇良(28=木瀬)が、錦富士(伊勢ヶ浜)を送り投げで下し、白星スタートを決めた。

「ちょっと緊張しましたね」という立ち合いだが、うまく左を差し、流れで押し込みながら右からすくうように後ろ向けにして送り投げを決めた。「場所前から十両に生き残りたい、けがなく15日間取り切ることを目標にしていた。いい流れで相撲がとれてよかった」と笑顔も見せた。

「業師」として注目を集め、順調に出世の階段を駆け上がった。最高位は東前頭4枚目。しかし、17年秋場所で膝を痛めて途中休場してから6場所連続休場で三段目まで落ちた。そこからはい上がるが再び膝を負傷し、5場所連続休場で序二段まで落ちた。3年近くをかけて復帰した関取の座だけに感慨は深い。

「(初日白星は)うれしいけど、終わってみないと何とも言えない。あと14日間残ってるんで。初日勝ったからと浮かれることなくやっていきたい」。地獄を見たからこそ、慎重に喜びを語った。