西前頭12枚目の照強(26=伊勢ケ浜)は「特別な日」を白星で飾れなかった。佐田の海を攻め込みながら、最後は押し出された。

1995年(平7)1月17日、阪神・淡路大震災が起きた日、兵庫県・淡路島で生まれた。「こういう日に生まれたのもひとつの運命。しっかり向き合っていかないといけない。もう26歳か。26年たちますけど、しっかり元気な姿を見せて、相撲をとれたのがよかった」。幕内の土俵で元気な姿を見せることが、自身の使命と感じている。

この日朝、震災が発生した5時46分に黙とうをささげた。気持ちは強かったが、左上腕筋を負傷するなど万全ではない。「痛みはありますが(体は)動くんでね。痛みと闘いながらやっていくしかない」。被災した人々に届けたい、気力の相撲だった。