4日間の日程で行われる大相撲の合同稽古は21日、東京・両国国技館内の相撲教習所で3日目が行われ、大相撲夏場所(5月9日初日、東京・両国国技館)で新三役を目指す、平幕の明生(25=立浪)が、大関朝乃山(27=高砂)と三番稽古(同じ相手と連続して相撲を取る稽古)を行った。

3月の春場所は10勝を挙げ初の三賞(敢闘賞)を受賞。勢いのある明生は、本場所で過去1勝5敗の大関の胸に果敢に飛び込んだ。数字こそ3勝11敗だったが、左を差し込み朝乃山を攻め立てるシーンも数多くあった。

だからだろう。明生は稽古後の取材で「土俵際まで攻め立てる場面がいくつもあった。勝ち負けにはこだわっていなかったので全然、良かったと思います」と好感触を口にした。朝乃山からの指名だったが「(自分も)取りたいと思っていた。どんな攻めが嫌がるのか、相撲を取らないと感じられないので。メリハリのある、いい稽古ができた」と狙い通りだったようだ。

最後の一番で、右足首に「電気が走った」(明生)ことで、最終日の合同稽古は当日朝の様子を見て決めるという。前頭5枚目以内の平幕上位は過去、4勝11敗、6勝9敗、1勝7敗7休と、上位の扱い壁に阻まれてきたが、先場所は2ケタ10勝。四つでも押しでも取れることに加え、この日の稽古では足を飛ばす場面もあり、攻め手は多彩。夏場所でも上位を、かき回す存在になりそうだ。