三段目は西16枚目の鳩岡(27=木瀬)が、幕内経験者の磋牙司(39=入間川)を押し出し優勝を決めた。

九州場所では出稽古にきて「胸を借りてアドバイスもくれる方」という近い間柄だった。「下がったら膝にもよくない。相手がいやがって動いてくれたんで、そこに合わせていった」。一気の攻めでの完勝だった。

昨年初場所、4連勝後の5番相撲で右膝膝蓋腱(しつがいけん)断裂の大けがを負った。その2年前に左膝にも同様の大けがを負い、長期の休場をへていた。

けがと戦っているさなかの昨年4月、長年闘病中だった母の良子さんを亡くした。その母との約束が「必ず関取に上がる」。2度の大けがで折れそうになった心だが、母との約束が心の支えだった。

「頑張らなければならない理由は、母は自分の近くにいると心に秘めていること。(今回の優勝報告は)もちろんです」。来場所は約1年ぶりの幕下復帰は確実。母と約束した関取の座へ、挑戦していく。