4日間の日程で行われる大相撲の合同稽古が23日、東京・両国国技館内の相撲教習所で始まり、大相撲秋場所(9月12日初日、両国国技館)に向けて大関正代(29=時津風)、関脇高安(30=田子ノ浦)ら関取衆13人が参加して汗を流した。

参加した関取衆で番付最上位の正代は、幕内の霧馬山、十両の東龍、魁勝に3連勝した後、合同稽古の締めくくりとして、高安と三番稽古。ガップリ四つに組むなどしながら5連敗を2度、喫するなど3勝12敗。最後の一番は「ちょっと肘を逃し損ねて、そのままかかっちゃった」と、左腕をきめられ痛がるそぶりを見せながら打ちきられた。「帰って、病院かお世話になっているトレーナーさんに電話して治療を。早く冷やしたい」と合同稽古2日目の参加可否は流動的のようだ。

初日を振り返り「まだ動いてないかなという感じ。10番ぐらいは自分の相撲が取れるように(しないといけない)。これから、だんだん上がっていくかなと思う」と話すように、関取衆と相撲を取る段階ではない様子。部屋での稽古も「幕下と、ちょっと(相撲を)取っていたけど間に合っていない」と調整は手探りの状態のようだ。東京五輪の日程に合わせ、本場所の日程も通常とは不規則で、名古屋場所が終わって36日たちながら、次の秋場所まで20日もあるという“中だるみ日程”の影響があってもおかしくない。

そんな影響が気持ちの面でも表れたのか、稽古中に春日野親方(元関脇栃乃和歌)から、叱責(しっせき)されるシーンがあった。幕下の申し合いが終わり、幕下力士のぶつかり稽古で胸を出した後のこと。同親方には、真剣味に欠けるように映ったのか「そんな胸(の出し方)だったら、大関が胸を出す必要ないんじゃないか。どれだけやるのかと思ったら、なんじゃそりゃ。なめてんのか。それが大関か、おい!」と正代に厳しい言葉を向けた。稽古場に入る前に、正代が他の関取衆や、ある親方らと談笑する時間が多かったこともあり、春日野親方はさらに「ペラペラペラペラおしゃべりするなら来るな。もっと貫禄見せろよ」と室内に怒声を響かせた。これには正代も「ぶつかりが、ちょっと軽かった。初日だったので自分もそこまで、ちゃんと引き締められていなかった」と反省しきり。三番稽古中にも同親方から「堂々といきなさい」と叱咤(しった)激励を受けていた。