大相撲秋場所初日を翌日に控えた11日、会場の東京・両国国技館で、恒例の土俵祭りが開催された。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、これまで通りに通常は参加する三役以上の力士の参加はなし。八角理事長(元横綱北勝海)らが参列し、厳かな雰囲気の中、本場所開催の安全の祈願が行われた。

土俵祭り後には優勝額贈呈式が行われ、名古屋場所で優勝した白鵬(36=宮城野)の代理の高島親方(元関脇高望山)と夏場所で優勝した新横綱照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が参加した。贈呈式の最後には記念撮影が行われ、照ノ富士に笑顔はなく、厳しく引き締まった表情を浮かべていた。贈呈式は日本相撲協会の公式YouTubeで生配信され、照ノ富士はファンに向けて「皆さんにいい相撲を見せられるように頑張りますので応援よろしくお願いします。横綱として頑張っていきます。応援よろしくお願いします」とコメントした。

新横綱として注目を集める照ノ富士は、初日に小結逸ノ城、2日目に東前頭筆頭の豊昇龍と対戦する。名古屋場所優勝の横綱白鵬が、弟弟子らの新型コロナ感染の影響で休場。新横綱場所で一人横綱として挑むこととなり、照ノ富士に早速の試練が与えられた。

かど番の大関貴景勝(25=常盤山)は、初日に東前頭2枚目北勝富士と対戦する。名古屋場所で負傷した首も治っているといい、優勝争いに向けて気合十分。昨年11月場所以来となる自身3度目の優勝を狙う。他に、再入幕の昨年秋場所から6場所連続勝ち越し中の新関脇明生(26=立浪)、19年夏場所以来に三役復帰した小結逸ノ城(28=湊)など、実力者らが新横綱を追いかける。

平幕では、自己最高位の東前頭筆頭豊昇龍(22=立浪)、同じく自己最高位の西前頭3枚目琴ノ若(23=佐渡ケ嶽)の、勢いに乗る若手にも注目が集まる。両膝の大けがから復帰し、番付を戻してきた東前頭6枚目宇良(29=木瀬)もいるなど、平幕上位陣の奮闘によっては荒れる秋場所にもなりうる。