大相撲九州場所(11月14日初日、福岡国際センター)に向けて、平幕の若隆景(26=荒汐)は過去の名力士から技を盗んで臨む。

25日、都内の部屋で稽古を行い、次兄の十両若元春らと計15番相撲を取って調整。この日から東京・両国国技館内の相撲教習所で合同稽古が始まり、自身も参加常連だったが、今回は見送った。「部屋でしっかりやる意識ですね」と、基礎を固めて九州場所に備える。

稽古以外でも、過去の力士の映像を参考にして技を磨いている。入門以前からあこがれだった元横綱日馬富士はその1人。「立ち合い、あの体であのスピード。いろんな昔の力士の映像は見る」。代名詞となりつつあるおっつけは、3代目横綱若乃花らの映像を見て学んだ。「若乃花や栃東のおっつけ。小学生のころから昭和の相撲の映像をよく見ていた。千代の富士とか。長兄の若隆元と一緒に」と話した。

先場所は東前頭3枚目で9勝を挙げて、三役復帰に前進した。新三役だった7月の名古屋場所は5勝10敗ではね返されただけに「もちろん(名古屋場所の)悔しさもあったが、あの場所はあの場所で終わり。またしっかり稽古して地力をつけて三役に戻れたらと思っている」と淡々。「今はとにかく下から攻める意識。そこをもっともっと磨いていきたい」と意気込んだ。