横綱照ノ富士(30=伊勢ケ浜)も、首位の座を譲らなかった。

千代翔馬にもろ差しを許し、頭をつける形で食い下がられたが、攻め急ぐ必要はなかった。「落ち着いていこうと思っていた」。相手が先に仕掛けると、外四つの両まわしを強引に引きつけた。なぎ倒すように寄り切り、1敗を堅守。星が上がっていない相手に40秒超を要したが、最後は怪力でねじ伏せた。20年11月場所から、8場所連続の2桁白星。抜群の安定感を誇っている。

疲労のたまる残り4日間は、役力士との対戦が続く。御嶽海とのマッチレースの様相も呈してきた新年最初の場所。「1日一番集中してやっているだけ。毎日ベストを尽くして頑張っていきたい」。新横綱から3場所連続優勝を果たせば、1919年の栃木山以来。103年ぶりの偉業に向けて、御嶽海との直接対決まで黒星は許されない。

▽幕内後半戦の藤島審判長 照ノ富士は千代翔馬に動かれてどうかなと思ったけど慌てなかった。終始、落ち着いていた。(照ノ富士と御嶽海が)何日目に当たるか分からないが、この勢いのままいって欲しい。(阿炎が照ノ富士や御嶽海と対戦する可能性については)そうなるかもしれない。1日1日、条件を見ながら最善の取組を作っている。