1敗でトップを並走していた関脇御嶽海(29=出羽海)と横綱照ノ富士(30=伊勢ケ浜)が相次いで敗れたため、2敗をキープした平幕の阿炎(27=錣山)を加えた3人が、賜杯レースを引っ張る展開となった。

13日目は、御嶽海と阿炎が直接対決。さながら、横綱への挑戦権をかけた激突となる。報道陣の電話取材に応じた日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は、敗れた御嶽海について「(2敗目は)痛いけど、まだ照ノ富士との対戦もある。まわしを締め直して気持ちを新たに。まだ3日あるから」と、この時点ではトップから滑り落ちていた大関候補に奮起を促した。一方の阿炎については「いい相撲を取っている。頭を低くして行くから突っ張りも威力がある。(照ノ富士と御嶽海に比べ)プレッシャーのない所でやっている。先場所も(優勝争いを)経験しているし、いい意味でのプレッシャーじゃないか」と精神的に楽に臨める優位性を説いた。

この両者の13日目の対決については、御嶽海の立場から「踏み込んで(阿炎の)手を伸ばさせないことが大事。相手の引きを計算しながら、今日みたいに思い切り行くことでしょう」と展望していた。