この日も「負けた方が負け越しの大関戦」が組まれ、あっけない電車道の相撲で貴景勝(25=常盤山)が勝ち、御嶽海(29=出羽海)の負け越しが決まった。前日の正代(30=時津風)に続き、2人目の大関負け越しが決定した。

続く結びの一番は、優勝を争う横綱照ノ富士(30=伊勢ケ浜)と、その正代の一番。番付通りなら優勝争いの大一番と期待され、懸賞も35本がかけられたが、かけられた懸賞105万円(手取り)とはかけ離れた、あっけない相撲で横綱が完勝した。

3大関で14日目まで18勝24敗。貴景勝が千秋楽で敗れ、皆勤3大関負け越しとなれば、かど番制以降初の屈辱となる。結びの一番に日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は「正代は、あそこまでだった」と短いコメントで報道陣の電話取材を切り上げた。正面土俵下の粂川審判長(元小結琴稲妻)は「相撲にならなかった」とお手上げの様子。その前の大関戦も「ちょっとガッカリ。御嶽海はどこか悪いのかな。もうちょっと、どうにかならないのかな。今場所(の不振大関)を物語っていましたね」と振り返った。

貴景勝-御嶽海戦が終わった後、八角理事長は「おっつけられたら(御嶽海はあっけない)ね。前にも言ったけど、いい時は力を出せるけど、悪くなると力を出せない」と何とか言葉を探した。2人の来場所かど番が確定。貴景勝も、となれば3人がかど番という失態になる。「1から稽古で(自分を)見つめ直して(気力を)奮い立たせて稽古してほしい」と苦言を呈していた。