大相撲夏場所を12勝3敗で制した横綱照ノ富士(30=伊勢ケ浜)が23日、東京都内の部屋からオンラインで一夜明け会見に臨んだ。優勝は昨年九州場所以来、3場所ぶり7度目。横綱昇進後、初の休場明けで大混戦の場所を制した。

両膝の大けが、内臓疾患で大関から序二段まで落ち、そこから横綱まで上り詰めた。地獄を見たからこその“金言”を発した。今場所の優勝は「復活」かの問いに「復活って何なんですか? 苦しいことを苦しいと思えば苦しい。苦しいと思わないようにしている。復活とは思っていない」と強い口調で言った。苦しいと思うかは本人次第。経験した横綱の言葉は重い。

自身も厳しい道を模索する。今年の目標は2桁10回の優勝。達成には残り3場所、落とせないが「目標を大きく持たないとモチベーションも上がらない。伸ばしていきたい思いがなければ相撲はとれない」。名古屋場所(7月10日初日、ドルフィン・アリーナ)でも不動の主役は間違いない。【実藤健一】