年内の関取復帰が見えた! 日本相撲協会は29日、大相撲秋場所(9月11日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表し、大関経験者で6場所連続出場停止処分が明けた7月の名古屋場所で三段目優勝(7戦全勝)を果たした朝乃山(28=高砂)は、西三段目22枚目から東幕下15枚目に番付を上げた。

幕下15枚目以上は7戦全勝なら十両昇進が確実となるため、今場所7つの白星を並べられれば11月の九州場所で、休場処分中だった今年初場所(東十両4枚目)以来の関取復帰を果たすことが出来る。

朝乃山は、日本相撲協会が定めた新型コロナウイルス感染対策ガイドラインに違反し、大関時代の昨年名古屋場所から6場所出場停止処分を受けた。その名古屋場所は、かど番大関だったため秋場所は関脇、九州場所は平幕の西前頭10枚目に番付を落とした。今年初場所では、17年秋場所から維持していた幕内の座からも陥落し、4年半ぶりの十両となる東十両4枚目に番付を降下。3月の春場所ではついに幕下に陥落(西幕下2枚目)し、関取の座も失った。全て全敗扱いのため、西幕下2枚目から5月の夏場所は同42枚目に降下し、7月の名古屋場所は東西で各90枚目まである三段目の西22枚目に位置されて復帰の土俵に臨んだ。

その名古屋場所は、しこ名の「朝乃山英樹」の、下の部分を「朝乃山広暉(ひろき)」と本名に変え心機一転で再起の土俵に上がり、危なげなく7戦全勝で優勝を果たした。

東幕下15枚目で臨む勝負の秋場所は、三段目だった先場所とは対戦相手の力量に大きな差がある。関取経験者が名を連ね、幕下上位でもまれた若手も十両昇進を果たすべく、手ぐすね引いて待ち構える。番付表には名を連ねていないが、同じ幕下15枚目格の付け出しでデビューする、日大出身で学生横綱経験者の川副圭太(23=宮城野)も、相星なら対戦が予想される朝乃山について「うれしい、ワクワクしています」と言いつつ「胸を借りるつもりで、でも倒しに行きます」と意気込みを語っている。大関経験者の朝乃山とはいえ、気の抜けない一番が続く。