大相撲九州場所(11月13日初日、福岡国際センター)で大関とりの足固めを狙う関脇の若隆景(27=荒汐)が、出稽古に来た関取衆に貫禄の違いを見せつけた。

19日、所属する都内の荒汐部屋に自身を含め8人の関取衆が集まった。申し合い稽古で同じ関脇豊昇龍(23=立浪)らを相手に13勝3敗と圧倒。「勝ち負けは特に気にせず、しっかり自分の相撲を取ろうと思っていた。いろんな部屋の関取衆と良い稽古ができた」と充実した表情を浮かべた。

この日は豊昇龍、明生(27=立浪)、隆の勝(27=常盤山)、錦木(32=伊勢ノ海)、阿武咲(26=阿武松)の5人が出稽古に来た。関取衆が実際に相撲を取り始めると、本場所さながらの張り詰めた緊張感に包まれた。そんな中でも、若隆景はいつも通り持ち味の下からの攻めを徹底した。

代名詞の強烈なおっつけは健在。組み合えば相手を寄せ付けない盤石ぶり。破竹の8連勝を挙げるなど、関取衆の中で最も多くの番数(16番)をこなした。「体はある程度動いているというのはあります」と現状に手ごたえ十分といった様子。「しっかり稽古して初日に向けてやっていきたい」と、ここからさらに調整を重ねていく。

先場所は初日から3連敗を喫するなど出遅れたが、そこから8連勝。12日目に平幕の高安(32=田子ノ浦)に敗れはしたが、11勝4敗で技能賞を獲得。大関取とりに向けての起点としたが、「来場所が大事」と気を引き締めた。

「しっかり自分の相撲が取れればある程度いい成績を残せるという自信はある」と話す表情には、全く不安の色は見えない。迫る九州場所に向けて「やっぱり一番気持ちかなと思うんです。とにかく気持ちで負けないように初日からいきたい」と意気込みを口にした。【平山連】