日本相撲協会は31日、大相撲九州場所(11月13日初日、福岡国際センター)の新番付を発表した。

7月の名古屋場所は新型コロナウイルスの感染、または部屋に感染者が出たことで途中休場を余儀なくされた力士たちが続出した。迎えた翌9月の秋場所は、場所中のコロナ関連の途中休場はなかったが、一方で注目されたのが西十両5枚目の朝乃若(27=高砂)の処遇だった。

朝乃若は秋場所前の8月下旬に、新型コロナの陽性が判明。約1週間の療養期間中に40度の発熱があるなどした。その療養期間は、秋場所初日3日前の9月8日に終了。初日(同11日)からの出場を目指したが、倦怠(けんたい)感やめまいも伴うなど、体力が戻らず初日に休場届を提出。途中出場も考えたが、階段の上り下りでも息が上がるなど体力は戻らなかった。相撲を取る稽古を再開できたのは、秋場所終了から約2週間後。秋場所2日目に提出された診断書には「新型コロナウイルス感染症後遺症のため約2週間の加療を要する見込み」とあった。

朝乃若の九州場所の新番付は、西十両5枚目から西幕下4枚目に陥落。関取の座から滑り落ちた。秋場所までのコロナ関連で休場した力士の番付は据え置き、または1枚程度の降下にとどまっていた。今回は通常のケガや病気で休場した場合と同様に「全敗扱い」となり番付降下となった。「コロナ後遺症」という新たな局面に、番付編成も難しい判断を迫られたのかもしれない。