日本相撲協会は10月31日、大相撲九州場所(11月13日初日、福岡国際センター)の新番付を発表した。秋場所、13勝2敗で2度目の優勝を飾った玉鷲(37=片男波)が、東小結で三役に復帰した。

オンラインの会見に臨んだ玉鷲は「(九州場所は)もうすぐですね。あっという間だと思います。しっかり体を戻したい」と語った。1年納めの場所。「長いといえば長い。いい1年だったと思う」と振り返り、「優勝した次の場所、大負けする力士が多い。意識せず、いつもの九州場所と思っていきたい。勝とう勝とうではなく、いつも通りに」と気持ちを引き締めた。

九州場所はげんがいい。負け越しは西幕下23枚目の06年に3勝4敗、11年に東前頭13枚目で5勝10敗の2度だけ。17年に東前頭筆頭で11勝をあげるなど最近、10年連続で負け越し知らず。本人も熟知しており、「九州場所は10年1回も負け越したことない。それはうれしいですね」と笑顔で話した。

宿舎を構える福岡・朝倉市の地元の熱がすごい。今回も優勝を祝う会を催してくれた。「大勢の人が来てくれて本当にうれしかった。しっかり意識して応えるために。勝とうじゃなくて、相撲をいい内容にしたい。まず勝ち越していい報告をしたい」と意気込んだ。

三役復帰のモチベーションは場所初日の協会あいさつ。「協会あいさつ、その場に立ちたい。それがようやくかなう。やっぱりかっこいいと思う」と言った。11月16日に38歳となるが、「(年齢は)気にしてません。年はただの数だから。それ以上に元気な相撲を取っていきたい。若々しい、自分の相撲をとりたい」と意気込んだ。

優勝に向けても貪欲だ。「『二度あることは三度ある』とみなさんに言ってもらっている。2回できたんだから3回もと思っている。この位置から盛り上げたいと思っている。負けても勝っても喜んでもらえる相撲をとりたい」。最年長関取の意欲は衰えを知らない。