日本相撲協会の諮問機関である横綱審議委員会(横審)の定例会合が、大相撲九州場所千秋楽から一夜明けた28日、東京・両国国技館で開かれた。

席上、高村正彦委員長(80)は、大相撲九州場所で12勝3敗の成績を収め優勝決定ともえ戦に進み、優勝同点だった大関貴景勝(26=常盤山)の綱とりについて、協会側に見解を求めた。それに対する協会側の答えも含め、同委員長は説明した。

高村委員長 横綱推挙の条件として「大関が2場所連続で優勝もしくは、それに準ずる成績を挙げた者」となっていますが、今度の貴景勝の場合も、それに形の上では該当しますね? ということをお聞きしましたら(協会側は)「形の上では該当する」と。相当、次の場所で良い成績で優勝するというようなことを考慮することになるのではないか。こういうようなお答えがあったと思ってます。

2場所連続優勝でなく横綱に昇進した例として、17年1月の稀勢の里(現二所ノ関親方)の例が記憶に新しい。前年11月の九州場所は12勝3敗の優勝次点で、翌初場所で14勝1敗の初優勝を飾り、場所後の横綱昇進を決めた。稀勢の里の場合は、直近1年間の好成績(優勝1回、優勝次点4回で74勝16敗)も加味されてのもの。貴景勝の場合、この1年は途中休場含め1ケタ勝利が3場所など、高いレベルの安定感となると疑問符がつきそう。形の上では内規に該当するものの、諮問の話題が浮上するには全勝優勝レベルの数字が求められそうだ。

また、来年1月で10年の歴任となる高村委員長が、任期満了で委員会から退会することに伴い、後任委員長を互選。後任は山内昌之委員(75)の就任が決定した。九州場所を全休した横綱照ノ富士(30=伊勢ケ浜)については、本場所復帰の時期は未定ながら、来年4月の春巡業に参加する方向であることが春日野巡業部長(元関脇栃乃和歌)から報告された。