125年ぶりの1横綱1大関の異例の場所を、残った看板力士が締めた。

大関貴景勝(26=常盤山部屋)が結びでの相星決戦で、東前頭13枚目の琴勝峰(23=佐渡ケ嶽)をすくい投げで退けた。

14日目までに5度(翔猿、大栄翔、翠富士、錦富士、阿武咲)も取組で“流血”するなど、闘志むき出しの相撲を展開。2020年11月場所以来3度目の賜杯を抱いた。

今場所は2日目に翔猿に敗れたが、3日目から8連勝で優勝争いの先頭に立った。11日目に琴ノ若、12日目に霧馬山と連敗したが、そこから立て直した。

13日目に好調だった阿武咲との一番を制し、14日目に豊昇龍に完勝した。

圧倒的な成績での優勝なら場所後の横綱昇進もありえただけに、12勝3敗での優勝には悔しさも残る。

それでも、3度目の賜杯で来場所には再び、綱とりがかかる見込み。これを足固めにして来場所につなげたい。

◆貴景勝光信(たかけいしょう・みつのぶ)本名・佐藤貴信)1996年(平8)8月5日、兵庫県芦屋市生まれ。4歳から極真空手を始め、小3の終わりに全国大会で準優勝。小4から相撲を始め、埼玉栄高で全国7冠。しこ名は入門時の師匠、貴乃花親方が尊敬する上杉謙信の後継者、上杉景勝から。本名の「貴信」は、父がファンだった貴乃花と織田信長が由来。得意は突き、押し。175センチ、165キロ。

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