大相撲の小結霧馬山(26=陸奥)と前頭琴勝峰(23=佐渡ケ嶽)が23日、東京・両国国技館内の相撲教習所で行われた、ファンとの交流イベントに参加した。

ともに1月の初場所では11勝4敗。12勝3敗で優勝した大関貴景勝に次ぐ優勝次点で、霧馬山は技能賞、琴勝峰は敢闘賞と、三賞に輝く活躍を披露していた。不知火親方(元小結若荒雄)と小野川親方(元前頭北太樹)が司会を務める中、大相撲公式ファンクラブの会員約80人を前に、初のトークイベント参加となった。

さまざまなトークを繰り広げ「勝負飯」をテーマにした際には、霧馬山は当初「焼き肉」と答えた。だが司会の両親方から、小声でささやかれた通りに「ちゃんこ霧島です」と回答変更。師匠である陸奥親方(元大関霧島)の現役時代のしこ名を冠した、ちゃんこ店を挙げると会場は笑いに包まれた。琴勝峰は「もちです。オーブンでチンして、しょうゆをかけて3つ食べています」という庶民的な回答には、温かい笑顔を伴って拍手が起きた。

他にも部屋の秘話を問われると、先に琴勝峰は「休みの前日に自分の部屋(個室)に付け人とかが集まって(ゲームの)マリオカートとかをやります。部屋には頑張れば5人ぐらい入れます」と話した。

同じ質問で、モンゴル出身の霧馬山は「部屋で付け人とかとテレビを見ます。『テラスハウス』とか。難しい日本語が出てくると(付け人らに)聞いていました」と、日本語の勉強を兼ねて、恋愛リアリティーショーのテレビ番組を見ていたことを明かした。

イベント後、取材に応じた2人は、初体験のトークショーに「楽しかった」と声をそろえた。

ともに春場所(3月12日初日、エディオンアリーナ大阪)に向けた調整は順調と強調。すでに荒汐、高砂、伊勢ケ浜、追手風の各部屋に精力的に出稽古している霧馬山は「15日間ケガなく最後までやって、2ケタとかは考えず、まずは勝ち越しを目指したい」と力説した。

初場所では三役で初めて2ケタ白星を挙げて、大関昇進に向けた起点をつくった。春場所は足場固めの場所となるが、気負わず臨むことを誓った。琴勝峰も「1日1日の積み重ねで勝ち越しを目指したい」と、静かに燃えていた。