大関経験者で東十両5枚目の栃ノ心(35=春日野)が、5連敗で未勝利のまま序盤戦を終えた。

立ち合いこそ島津海に、身長差17センチ、192センチの長身を生かして押し込んだ。だが押し返され、最後はもろ差しを許して寄り切られた。「ダメだった。残念ながら。相撲になっていない。場所前は、こんな結果になるとは思わなかった」と、絞り出すように話した。

初場所4日目に左肩を脱臼し、途中休場した。十両に陥落した春場所は5勝10敗。徐々に番付を下げる中、今場所を迎えたが、前日17日の4日目までにも「こんな相撲を取っていて恥ずかしい。お客さんに申し訳ない」などと、唇をかみながら話していた。左腕に思うように力が入らず、生命線の左上手を引けずに、悔しい相撲内容が続いていた。かつて「怪力」でならした、ジョージア出身の大関経験者は、ふがいない取り口の連続に、じくじたる思いを抱きながら、土俵に立ち続けている。