大相撲の新大関豊昇龍(24=立浪)が1日、日体大柏高への留学で初来日から3年間過ごした、千葉・柏市を表敬訪問した。

豊昇龍は7月の名古屋場所で初優勝し、場所後に大関に昇進。市役所の庁舎には「祝 大相撲七月場所優勝!! 大関昇進!! 豊昇龍関」の懸垂幕が掲げられ、庁舎を訪れると数十人の職員が拍手で迎えた。さらに太田和美市長(43)から花束を贈呈され、満面の笑みを見せた。

太田市長と対面して行ったあいさつでは「自分のこの優勝と大関昇進は、柏と必ず関係があると思っています。モンゴル出身ですが、初めて日本に来て、住んだのは柏市なので、自分の中では柏のことを『日本のふるさと』と思っているので、柏市の皆さん、これから立浪部屋、そして私の応援をよろしくお願いします」と話し、集まった市の職員らから盛大な拍手が起きた。

太田市長は「千秋楽では本当に手に汗を握る戦いを見させていただきました。(名古屋場所千秋楽本割の)3敗で並んだ伯桜鵬関との戦いも、気迫がすさまじく圧倒されました」などと返し、豊昇龍を称賛した。歓談中の会話で、同市長はさらに「横綱になられても、また柏市役所に来ていただけますでしょうか?」とたずねると、豊昇龍は「もちろん来ます」と即答した。すると同市長は「その時はパレードを」と話し、豊昇龍は「じゃあ。頑張らないといけないですね」と、これも即答。将来的な柏市でのパレードの約束を交わしていた。

実は柏市には、現在も「1カ月に1度は来ている」と、定期的に食事などをしているという。柏市での思い出として豊昇龍は「おいしいラーメン屋さん、焼き肉屋さんがあって、太るために夜食で食べに行ってました」と、柏の食が現在の肉体の基盤となったと感謝した。柏市役所を訪れたのは、来日後の各種手続きのため以来で「8年? 9年? そのぐらいぶり」だという。当時を振り返り「こんな日が来るとは思っていなかった」と、うれしそうに話した。

名古屋場所後、すでに夏巡業で愛知・豊田市、静岡・沼津市と2カ所を訪れている。3カ所目の東京・立川市での巡業を翌2日に控え、この日は数少ない“空き日”で、大関昇進後、最初の表敬訪問を「日本のふるさと」で果たした。次の秋場所(9月10日初日、東京・両国国技館)に向けて「まずはケガせず、1番1番いい相撲を取って、1番1番集中。元気を与えたい。それが目標」と話した。2場所連続優勝が期待されるが「自分は優勝とかは意識しないようにしています」と、変わらず無欲で臨むことを誓っていた。