西幕下筆頭の尊富士(たけるふじ、24=伊勢ケ浜)が、来場所の新十両昇進をほぼ手中に収める5勝目を挙げた。

十両経験者で東幕下7枚目の千代の海に押し込まれながらも、土俵際ではたき込んで逆転。5勝1敗とした。

来場所の十両昇進争いは、東幕下筆頭で勝ち越しを決めている白鷹山が昇進を確実としている。さらに東幕下11枚目で、この日6連勝を飾った北播磨が全勝優勝を果たした場合、尊富士は残る1番に勝っても3番手の扱いとなる。すでに十両からの陥落は伯桜鵬、東龍が確実。この日、日翔志が敗れて来場所の幕下陥落3人目が濃厚となり、十両が3枠空く見通しとなったことで、ようやく新十両昇進をほぼ手中にした格好となった。

鳥取城北高-日大を経て、初土俵から8場所目。今場所からようやく、まげを結うことができた。4勝目を挙げた後、同部屋の兄弟子、横綱照ノ富士に電話で勝ち越しを報告すると「おめでとう」と祝福された。ただ「あと1番。とにかく落ち着いてやれ」とも付け加えられたという。尊富士は「まだ残り1番ある。次々に場所はやってくるし、1番1番、自分の相撲を取っていきたい」と、気を緩めることなく話していた。