2場所連続全休から、3場所ぶりに出場した横綱照ノ富士(33=伊勢ケ浜)が初日黒星発進となった。小結若隆景(30=荒汐)に立ち合いからすぐに肩透かしを食らって土俵にはった。起き上がる時には苦笑いを浮かべて信じられないといった表情を浮かべた。
過去の対戦は10勝1敗。その1敗は不戦敗と、相撲で負けたことはなかった。それでも、支度部屋に戻ると、付け人に「肩透かしか」とつぶやき、風呂に入る準備をした。取材は受け付けなかったが、大きなショックを受けた様子や、悲愴(ひそう)感は漂っていなかった。
10回目の優勝を決めた昨年名古屋場所場所以来の本土俵だった。上半身の張りこそ戻ったが、しりの肉が落ちているのは明白で、下半身に不安は隠せなかった。それでも、ここ数年は場所で相撲を重ねるごとに「しり上がり」に調子を上げて筋力も取り戻して優勝している。
序盤戦を乗り切れるかがカギになるが、13日の2日目は難敵が待ち受ける。優勝決定戦を除くと、十両時代から本割では通算7勝7敗と五分の東前頭筆頭隆の勝。初日から2連敗は絶対に避けたい。勝てば波に乗る可能性も高く、大事な2日目になりそうだ。「絶好調ではない。ただその中で、役割を果たす責任感がある。勇気を持って土俵に立っている」と九重審判長(48=元大関千代大海)。ケガを抱える横綱への歓声も大きい。切り替えて責務を果たす。

