ついに単独トップに躍り出た。横綱大の里(25=二所ノ関)が、9連勝で12勝目を挙げ、14日目にも2場所ぶり5度目の優勝を飾る可能性が出てきた。1敗で並んでいた横綱豊昇龍が敗れた直後、騒然とする館内で関脇若隆景を危なげなく寄り切った。今場所獲得した懸賞金は、この日の47本を加えて計519本。1本7万円のうち力士の手取りは6万円で、3114万円を獲得したことになった。従来の最多で、横綱白鵬が15年初場所を全勝優勝して得た3090万円余りを超える歴代最高額。また「唯一無二」の存在となった。

   ◇   ◇   ◇

ざわめきが収まらない館内を、大の里が圧倒的な強さでどよめきに変えた。今場所後の大関昇進は絶望的ながら、相撲巧者の若隆景に右をねじ込むと何もさせなかった。上手を許し、揺さぶられても「頭に入っていたし、しっかり対応できた」。大きく体をよろめかすことなく圧力をかけ続けて寄り切り。日に日に盤石な内容となり「悪くない。これを続けて残り2日間やっていく」とうなずいた。

土俵下の控えの目の前で豊昇龍が負けた。24時間余り前の時点では、自身が1差で追っていた相手に、逆に1差を追われる展開。ただ、若隆景に負ければ再び並ぶ状況で「本来なら動揺してしまうけど、しっかり目の前の一番に集中していた。さらに集中して一番に臨むことができた」と、緊張するどころか気合が入った。完勝で14日目にも優勝決定の状況に持ち込んだ。

分厚い懸賞袋の束を受け取るのも今場所12度目。計519本で総額3114万円を獲得した。白鵬が15年初場所で獲得した545本よりは下回るが、当時は懸賞1本が6万2000円で力士手取りは5万6700円。総額は3090万1500円だった。人気と実力のバロメーターとなる懸賞金で、自身初の1場所3000万円超えどころか、10年ぶりに最高額を更新した。

前日25日は大関昇進伝達式から丸1年だった。そこで述べた口上「唯一無二」の通り、最速で横綱に昇進。加えて史上最高額の懸賞も得た。「浮つきすぎず、目の前のことだけやっていきたい」。最大の敵ともいえる自らに語りかけ、賜杯を見据えた。【高田文太】

全取組結果