AKB48グループメンバー総勢47人が出演する舞台「仁義なき戦い~彼女(おんな)たちの死闘編~」が来月9日から、福岡・博多座で開幕する。日本映画史の実録物に、体当たりで挑戦。このほど、主役の広能昌三役を演じるAKB48/STU48岡田奈々(21)ら出演者6人が日刊スポーツなどの取材に応じ、意気込みを語った。

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開幕に向けて、メンバーは連日稽古に励んでいる。今回多くのメンバーが挑む男性役。山守義雄役のSKE48のキャプテンで劇場支配人の斉藤真木子(25)は「怒鳴るせりふも多いんですけど、ステージに立つとスイッチが入ってしまって、ついつい高くなってしまうので大変です」。

坂井鉄也役のNMB48白間美瑠(22)は「巻き舌で早口なので、かみそうになります」。若杉寛役のSTU48瀧野由美子(22)は「撮影で刀を持ったんですけど、すごく重くて…。衣装にも負けないように頑張ろうと思いました」と四苦八苦しながら、役作りを行っている。

今回の舞台化では、映画で描かれている任侠(にんきょう)の世界観を限りなく再現するという。メンバーも作品を見ており、矢野修司役のNGT48本間日陽(19)は「自分では想像できない世界が広がっていて…。原作も現実をもとに作られていると聞いて、そんな世界があったのかと思うとビックリしました」と衝撃を受けたという。

それでも、これまで「マジすか学園」でヤンキー、「豆腐プロレス」ではプロレスと、48グループはアイドルとは正反対な役柄の作品に挑戦してきた。斉藤とダブルキャストのHKT48田島芽瑠(19)は「ついに任侠か! と思いました。でも48グループならですし、おもしろいですよね」と前向きに臨んでいる。

国内の6グループからメンバーが集結し、2グループに分かれて13日間で22公演を行う。「仁義なき戦い」を演目として行うことに岡田は「アイドルの仁義と、任侠の仁義を重ねているのかなと個人的に思いました。アイドルの仁義の1つは、仲間への思いやりだと思うので、そこを大事にしたいと思います」。さらに「原作の映画を見た後に、登場人物に憧れた方もたくさんいると聞きました。まっすぐでかっこいい人を演じるので、舞台を見てもそう思ってもらえるように頑張りたいです」と意気込んだ。【大友陽平】

◆「仁義なき戦い」 戦後、広島で起こった暴力団抗争を描いた故飯干晃一氏の実録小説を原作に故深作欣二監督が73年1月に映画化。ドキュメントタッチの暴力描写、広島弁によるセリフはリアリティーにあふれ、実録物と呼ばれた。74年「仁義なき戦い完結編」まで5部作が製作された後、番外編「新仁義なき戦い」が76年までに3作作られた。「仁義なき戦い」は副題の「代理戦争」「頂上作戦」などとともに、雑誌、新聞などの見出し語として定着した。