OSK日本歌劇団の前トップスターで4月に特別専科に移籍した桐生麻耶が、「松竹新喜劇 夏まつり特別公演」(7月10~18日、京都・南座)で松竹新喜劇に初出演する。

「いつかご一緒できたら幸せだなと思っていたけど、こんな早いとは…」と喜びを語った。松竹新喜劇の魅力は「ぽんぽんぽんぽんと会話が進んで、笑わせてもらって、どこかでちょっとほろっと涙を誘うところもあったり。心が動く舞台」と話す。

桐生は、新作喜劇「一休さん」への出演。藤山扇治郎(34)が青年期の一休さんを演じ、桐生は一休と信頼を結ぶ「蜷川新右衛門」役を務める。新右衛門について「一休さんのよきバディみたいな役柄」ととらえる。

京の都の外れにある安国寺で修行中の一休のもとに、武家の蜷川新右衛門が、山城の飯岡で起きた村民たちの争いごとを解決してほしいとやってくる。桐生は「すったもんだを解決するために、一休さんに知恵を借りて-というところがあって、その解決にいくまでに『ああでもない、こうでもない』っていう場面が繰り広げられる」と語る。

新型コロナウイルス禍の今だからこそ、「笑ってもらって。そして、人と関わることによって、何か生まれる優しさとかも、どこかで届けられたらと思っています」と意気込んだ。

桐生は18年8月にOSKトップスターに就任。ダイナミックなダンスや歌、パフォーマンスなどから「唯一無二の男役」と称され、今年4月に特別専科へ移った。

トップ勇退後の心境は「『トップとはこうあらねばならない』みたいなところがあったとすれば、それがなくなったので、その分、演じることに対して、視野が広がったというのはありますかね」と明かした。

特別専科に移籍後、外部公演への出演は今回が初めて。「歌も踊りもすべてお芝居につながっている。(今作に)出させていただくことによって、そこの部分をもっと深めることができるんじゃないか」と考えているという。【星名希実】

「松竹新喜劇 夏まつり特別公演」に出演する桐生麻耶(撮影・星名希実)
「松竹新喜劇 夏まつり特別公演」に出演する桐生麻耶(撮影・星名希実)