ド派手な化粧にコッテコテの大阪弁を話す木村佳乃(42)が主人公・武内小夜子を演じるフジテレビ系連続ドラマ「後妻業」(火曜午後9時)が19日に最終回を迎えます。クライマックスを前に大阪市内で行われた取材会で木村が“後妻業ロス”を明かしました。

撮影は約2週間前に終わりました。「あかん、あかん」「ちゃうちゃう」。大阪弁だけで約3カ月、小夜子を演じきった木村はこう言います。

「なんか、小夜子を演じていると、炎のようにずっ~とボウボウと燃えている感じだった。演じるのに体力、気力、瞬発力、あらゆるエネルギーが必要な役だった。終わると、一瞬、抜け殻になった。ボ~としちゃった」

ドラマは大阪が舞台。小夜子は資産家の高齢男性と結婚し、その死後に多額の遺産を手にする「後妻業」がなりわい。これまで知的なキャリアウーマンなど多彩な役柄を演じてきましたが、今回は大阪弁を酷使するパワフルな女性役。まさに怪演でした。

東京出身の木村は、自宅でも大阪弁を猛特訓したそうです。子どもが大阪弁を話すことも。小夜子がズラ(カツラ)を外すシーンのセリフがありました。「『ズラちゃう、ファッションウィッグや』。娘はこれだけピンポイントで覚えた」。東京で買い物に行くと「お店の人に関西出身でしたっけって言われました」。

大阪弁について「これだけ長く、多くのセリフをお芝居で使ったのは初めて。すごい難しいなと何回も思った。もともと好きでしたが、もっともっと好きになりました」。

役柄にも大阪弁にもエネルギーを注いだ約3カ月。熱量が高かっただけに“後妻業ロス”は大きかったようです。

19日に迎えるクライマックス。「最終回は小説とも映画とも唯一、ぜんぜん違うところ。私も最初、台本を読んだとき、こう来たか!と思った。大どんでん返しです」。

ちなみに好きになった大阪弁を聞いてみました。  「どちらにしようかな、天の神様の言う通り、ぷっとこいてぷっとこいてぷっぷっぷっ」

例えば2つモノから1つを選ぶときなどに使う「どちらにしようかな、天の神様の言う通り」の続きは全国各地でさまざまですが、関西では「ぷっとこいてぷっとこいてぷっぷっぷっ」が猛威を振るっています。【松浦隆司】(ニッカンスポーツ・コム/コラム「ナニワのベテラン走る~ミナミヘキタヘ」)