先日、本コラムでも書いた演出舞台「ハイスクール・ハイ・ライフ3」が東京・大久保のR'sアートコートにて2月8日から公演中。昨年11月に最終選考会が行われたジュノン・スーパーボーイ・コンテストから選抜されたメンバーがメインキャストをつとめます。

1万5000人の中から選ばれたジュノンボーイ。今回の舞台では、グランプリの石山くんはじめベスト30から12人が出演。出演者は、ベスト30の中から希望者全員と面談しメンバーを決める。ほぼ全員が、初舞台どころから初芝居となります。

稽古初日。どこの事務所にも入っておらず、ほぼ素人に近いことから、正直上演できるレベルまで持ってこれるか心配していた。しかし、さすがのポテンシャルで、なんとか本番までには間に合う。1年間にわたりコンテストにチャレンジしていたこともあり、意識は高くまた性格も素直で本当に素晴らしい。演技自体はまだまだ発展途上ではあるが、お客さまに観せられるレベルまでにはきたかと思う。本番を通じ、さらなる飛躍に期待したいところである。

さて、そこで今回紹介するのは準グランプリを獲得した冨樫庵(とがし・いおり)くん。なんとまだ14歳の中学2年生。面談後、舞台にぜひ出演したいとの熱い思いを受けキャスティング。学校との兼ね合いで稽古に参加できる時間は少なく、あと他のメンバーと年がかなり離れているため、ずっと気にかけていたメンバーの1人。全員初演技といいつつ成人しているメンバーはそれなりに経験してきているが、14歳だとさすがに…といったところであった。

また、人見知りなこともあり稽古初日は声も出てなく、芝居するということ自体があまり理解できていないように思えた。しかし、3週間の稽古を経て、本当にたくましたくなったと思う。演技するということを自分なりに考え、日々の稽古の度に提示をしてくれる。わかりやすく毎日、成長していることが見て取れた。さすがの準グランプリ、これから無限大の可能性を秘めている若者だといち早く紹介しておきたい。

ちなみに、ラインなどで直接やりとりをする機会も多いのだが、本当にしっかりしている。最近までお父さんが代わりに対応しているのでは?と思っていたほどである(笑い)。そんな冨樫くんも出ている舞台「ハイスクール・ライ・ライフ3」、何とぞよろしくお願いいたします。

◆谷健二(たに・けんじ)1976年(昭51)、京都府出身。大学でデザインを専攻後、映画の世界を夢見て上京。多数の自主映画に携わる。その後、広告代理店に勤め、約9年間自動車会社のウェブマーケティングを担当。14年に映画「リュウセイ」の監督を機にフリーとなる。映画以外にもCMやドラマ、舞台演出に映画本の出版など多岐にわたって活動中。また、カレー好きが高じて南青山でカレー&バーも経営している。直近では映画「その恋、自販機で買えますか?」「映画 政見放送」が公開。