10日に放送されたフジテレビバラエティー「アオハル(青春)TV」(日曜午後9時)の視聴率です(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。

「視聴率改革のスピードを上げるために、4月改編を待たずに1月改編を断行する」(宮内正喜社長)。そんな期待を背負って1月27日という異例のタイミングでスタートした新番組ですが、やはり宣伝期間が短いのか、初回4・1%で今回さらに下落。スタート早々、ゴールデンタイムで3%台というピンチに直面しています。

同日の他局は、日本テレビ「行列のできる法律相談所」17・2%、テレビ朝日スペシャルドラマ「庶務行員・多加賀主水が悪を断つ!」12・0%、TBS日曜劇場「グッドワイフ」8・5%、テレビ東京「池上ワールド」5・4%。

ドラマ、情報番組のジャンルでは復調の兆しも見え始めた同局にとって、バラエティーのスランプは大きな課題となっています。特に弱点となっているのが金土日のGP帯(午後7時~11時)。昨年の10月改編で「坂上どうぶつ王国」(金曜7時)など金曜、土曜に3つの新番組を立ち上げ、今回の“1月改編”でいよいよ日曜GP帯に着手。それが9時枠の「アオハルTV」と、8時枠「でんじろうのTHE実験」の2番組です。

「日曜ファミリア」「ニチファミ!」と続いた単発SP枠を終了し、約3年半ぶりとなるバラエティーのレギュラー番組。特に「アオハルTV」に関しては、定例会見でも役員たちから「幅広い層の支持を得られると思う」「結果を楽しみにしている」と期待の声が寄せられました。ですが、改編前の1月分と比べると、「ジャンクSPORTSスペシャル」7・1%、「警察24時」8・9%、「超見逃せない瞬間SP」6・4%とニチファミ時代より下回ってしまい、苦悩は続いています。

そんな「アオハルTV」ですが、テンポの悪さを感じるものの、視聴率ほどひどい内容でもないというのが個人的な印象です。タレントのヒロミがMCを務め、ビビる大木、DAIGO、Sexy Zoneの菊池風磨と佐藤勝利がレギュラー出演する青春応援バラエティー。3・3%だった回は、風磨&勝利が工業高校のロケット部を訪ね、手作りロケットの打ち上げという夢舞台に立ち会いました。

「学校へ行こう!」(TBS)みたいなテイストですが、男子部員たちが2人のことをあまり知らず、ジャニーズが来たのにノーリアクションという新しい展開。「Sexy Zoneって知ってる?」「…」。ショックすぎて菊池が「ロケット部」を「ロボット部」と言い間違えたり、何げなく「姉がHey!Say!JUMPのファン」と口にした部員を佐藤勝利がマッハで黙らせたり。V6のようにはいかない2人の必死さが新鮮で、けっこう笑えました。

にぎやかになりにくいテーマ選びや、一芸コーナー「アオハルフェス」の面白さがいまひとつ伝わらない感じにもどかしさも感じますが、高齢者シフトが激しいテレビ界で、何とか若年層を取り込もうというガッツはアリだと思うので、「4月改編を待たずに終了」なんてことにならないよう、健闘を祈ります。

【梅田恵子】(B面★梅ちゃんねる/ニッカンスポーツ・コム芸能記者コラム)