音楽バンド、漫才コンビを経て吉本新喜劇に入った「ちっさいおっさん」池乃めだか(72)が10日、大阪・なんばグランド花月で、芸能生活50年記念公演とグッズを発表した。

 めだかは「ここまできたら、死ぬときも吉本新喜劇の池乃めだかでありたいと思います。生涯現役で頑張りたい」と、照れ笑いを携えてあいさつした。

 身長149センチの小さな体を生かして、無数のギャグを生み出してきた。ネクタイを伸ばして「(身長と)同じや」、こめかみキックを宣言するものの蹴ったらそこはひざ辺り…。この日は、前代未聞、記者会見の前に後輩が集まり、報道陣の1メートルほど前でミニ新喜劇を上演した。

 芸人めだかのギャグを盛り込み「いつも木の葉のように川を流れて参りまして、その結果、この辺(50年)に流れ着きました。会社や、仲間のおかげです」と、感謝した。

 めだかは、23歳で芸能界入りしてから、今年10月で50年目に入る。もともと、歌手へのあこがれもあり、正司玲児らと音楽ショウ「ピスボーイ」にドラマーとして参加。その後、海原小浜門下に入り、小浜の息子と「海原かける・めぐる」で漫才コンビとして活動した。

 だが、76年にかけるが廃業し、これにともないめだかは吉本新喜劇入り。だが、これも「また次のコンビ組むまで…と。会社も『お前も飯食わないかんから、次の相方見つかるまで新喜劇やとけ』と言ってくれまして、腰掛けのつもりでした」と振り返る。

 だが、その新喜劇でブレーク。間寛平とのコンビは大人気となり、猿にふんした寛平と、めだかが演じる猫がじゃれあうコーナーは、新喜劇の名物ネタに成長していった。

 寛平が新喜劇を離れた後も、めだかは新喜劇に残り、世代交代キャンペーン後も継続してきた。

 めだかは、これまでも「心の流れるまま。無理に頑張ろうとせえへんのが、この世界で生き抜くコツや」と語ったことがあり、まさしくその悠然としたいきざまを体現してきた結果が50年の積み重ねになった。

 50年記念公演としては、10月20~26日に大阪・なんばグランド花月の本公演で座長を務め、寛平と共演。11月20日には同所で「芸能生活50年記念 ちっさいおっさん大祭り」を上演する。同記念公演では、スペシャル新喜劇のほか、めだかは歌も歌う予定。ゲストには落語家笑福亭鶴瓶、歌手ISSAらが出演する。

 また、記念グッズとして、めだかと等身大のネクタイ(本体価格1000円)フィギュア(同50万円)も発売される。