織田裕二(47)が、4年ぶりに映画主演することが17日、分かった。話題小説の映画化「ボクの妻と結婚してください。」に主演する。余命宣告されたが、残される妻の幸せを願い、結婚相手を探す男を演じる。初共演となる吉田羊が妻を演じる。

 さまざまな出演依頼が寄せられる中、織田が、12年のシリーズ完結編「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望」以来となる主演映画に選んだのは、異色のラブストーリーだった。原作は、放送作家樋口卓治氏(51)の同名小説で、舞台化やドラマ化もされた話題作だ。

 主人公はバラエティー番組で活躍する売れっ子放送作家。ある日突然、がんのため、余命半年と宣告される。残りの人生をどう生きるか考えた末、たどりついた答えは、自分がいなくなった後も家族が笑顔で暮らしていけるように、妻の再婚相手を探すことだった。

 織田は、脚本にほれ込んで出演を決めた。「いただいた時に、まず面白いタイトルだなと思いました。読んでクスッと笑えて、スーッと涙が流れました」。さまざまな役を演じてきたが、厳しい現実に戸惑いながらも、明るく前向きに純粋に、最後まで生きようとする主人公の姿に胸を打たれた。「こんな役は演じたことがありません」。製作側も「強さと弱さを併せ持つ新しい人物像に挑んでほしい」と期待を寄せている。

 妻を演じる吉田は織田とは初共演。「ずっとテレビで見ていた憧れの方。夫婦役でお芝居させていただけるなんてこの上ない喜び」と話す。時に辛辣(しんらつ)な言葉を口にするが、夫とは強い信頼関係で結ばれている設定。夫同様にユーモアにあふれる女性だ。「織田さんと築く温かい夫婦関係に、笑い泣きしていただけたら幸いです」。

 撮影は間もなく始まる。織田はスタッフと綿密に話し合い人物像を膨らませている。メガホンは12年デビュー作「阪急電車 片道15分の奇跡」などで知られる三宅喜重監督(48)が取る。東宝配給で来年秋公開。