演歌歌手中村美律子(65)が、24年ぶりに新作の歌謡浪曲「無法松の恋~松五郎と吉岡夫人~」を7月6日に発売する。このほど、日刊スポーツのインタビューに「デビュー30周年の記念曲としてぜひやりたかった。構想5年で本格的に検討して1年。まだまだ頑張るで! という意気込みをお見せできる自信作です」と語った。

 「無法松」こと富島松五郎と、夫を亡くした吉岡夫人と長男敏雄との物語「無法松の一生」は、映画やドラマ、浪曲などに何度もなっている著名作。今回は、松五郎が主人公となる男目線ではなく、女性の吉岡夫人の立場から見た物語に仕上げた。「中村美律子ならではの女性目線。そこを楽しんでほしい」。

 32歳で女性浪曲師の春野百合子に師事した中村は、36歳で歌手としてメジャーデビュー後も、演歌と歌謡浪曲の“二足のわらじ”で活躍。ライブでも両方を披露してきた。今月20日、東京・新宿文化センターで行うライブでファンに初披露する。21分13秒と長時間の作品だが「テロップやモニターは使いません。自分のすべてをそのままファンに伝えたいから。偉いやろ!」。全力投球を誓った。

 所属のキングレコードによると、演歌でも活躍する歌手の歌謡浪曲の新作は92年の二葉百合子「明治幻燈お蝶夫人」以来、24年ぶりだという。【松本久】