映画「闇金ウシジマくん ザ・ファイナル」(山口雅俊監督)の初日舞台あいさつが22日、東京・台場のシネマメディアージュで行われ、主演の山田孝之(33)が続編製作を完全否定した。

 人気漫画が原作で、山田演じる闇金業者「カウカウファイナンス」の丑嶋社長と、借金に溺れていく人たちをコミカルかつシリアスに描いた作品。10年にテレビドラマがスタートし、映画を含め全10作が作られた実写版は、これで完結する。客席のファンからは「またやって!」と懇願の声が飛んだが、山田は即座に「やらないです」と断言した。「-ザ・ファイナル」は丑嶋社長の過去について描かれており、山田にとってはやりきった思いが強い。「見てもらえれば、もうその言葉は出ないと思う。見事に終わらせることができた」と、すがすがしい表情で言い切った。

 丑嶋の下で取り立て屋を演じたやべきょうすけ、崎本大海にとっても、忘れられない作品になった。やべは入場の際、客席を1周してファンとハイタッチ。「今年で芸歴25年を迎えました。足かけ6年、26歳の役を延々、43を迎えるにもかかわらず(演じてきた)。ファイナルになるのも、僕の年齢の限界というところなんじゃないかと思う」と、ジョークまじりに残念がった。崎本は「僕にとって宝物のような6年間だった。皆さんにとっても宝物になれば」としみじみ語っていた。

 山田とライバル関係にある闇金業者を演じた高橋メアリージュンは、山田ら「カウカウ-」勢とは撮影中も会話をしなかったという。撮影も終わり、敵対関係も終わったことで、高橋は「6年間、お疲れさまです」と山田らの労を素直にねぎらった。さらに、「ずっと口を聞かないようにしていたけど、これからは口も聞けるし、ご飯に連れて行って下さい」とおねだりした。やべが「いいこと、聞けましたな」と喜ぶと、山田も「行きましょう」と応じ、会場は拍手に包まれた。

 人気シリーズの最終作とあり、場内にはシリーズを愛する「濃い」ファンが多数、来場していた。「お金貸して下さい!」と絶叫する男性ファンに、やべは「社長、貸し付けましょうか?」と即興芝居を披露。すると山田は「ああいう人には貸さない方がいい」とやべを制し、綾野剛も「ジャンプ(返済期限を延長)するだろうね」と笑わせていた。

 ほか永山絢斗、安藤政信、間宮祥太朗、YOUNG DAIS、最上もが、玉城ティナ、太賀、山口監督が登壇した。