市川由紀乃(40)は、リハーサルながら夢舞台に初めて立って「心かさねて」を歌唱した。

 「今日、やっと実感がわきました。楽しむよりも緊張の方が多いです」。

 本番では母栄子さん(72)が客席から見守る。先天性脳性まひで生まれ、8年前に亡くなった兄(享年39)からの激励の手紙もいつも通り、懐に忍ばせるつもりだ。「これまで、多くのことを家族3人で乗り越えてきたので、本番も3人でステージに立ちます」。

 真っ赤な振り袖を衣装に選んだ。「2回目の成人式。せっかくの晴れ舞台ですからね」。

 家族やファンら多くの支援者と心を重ねながら、初のステージに立つ。