和歌山県高野町の高野山大で25日、特別招聘(しょうへい)教授に就任した歌舞伎俳優市川染五郎の記念講演会が開かれた。昨年4月に上演された新作歌舞伎で、真言宗の宗祖空海役を演じた染五郎は「何か天や神に向かって芝居をしているように感じた」と語った。

 辞令を受け取った後、染五郎は「歌舞伎を通して知る空海」と題し、約250人を前に約1時間講演。「空と海、大きなスケールでこれ以上の名前はない。来年、松本幸四郎を襲名するが、歌舞伎役者として夢に向かって少し近づいたかなと思う」と充実した表情で話した。

 染五郎は空海を演じる前の昨年3月、高野山を訪れ舞台の成功を祈願。特別招聘教授就任のきっかけとなった。