上方落語協会副会長で若手育成を担う桂米団治(59)らが22日、大阪市北区の同協会会館で、今年8月から始めた「火曜の朝席」ポイントカード制導入と、昨年10月にスタートし今秋から金曜(第2、4週)に定着した「乙夜(いつや=深夜)寄席」でリーダー制を敷くことを発表した。

 米団治は昨年10月、通常興行を終えた午後9時から同11時までの時間帯を「乙夜」と呼ぶことから、若手が出演する深夜寄席を発表。各曜日で実施して検討した結果、今年10月からは、第2、4週金曜の深夜に定着させた。

 「金曜の夜がやっぱり、一番ホッとするということで」曜日を定着させ、兄弟子の桂米二(60)とともに、新たな試みとしてリーダー制を来年1月から始めることを明らかにした。

 若手出演者に責任感を持たせることがねらいで、02~05年ごろ入門の桂二乗(39)笑福亭鉄瓶(39)林家市楼(37)ら、6人をリーダーに指名。リーダーが、他の出演メンバー2人を決めて番組プログラムの責任を負うシステムをスタートさせる。

 ただ、担当の米二によると、リーダー6人の指名に難航。本来は、弟子の二乗と同じく02年入門世代を中心に決めようとしたが、なかなか決まらなかったという。

 米団治は「我々の若手時代と違って、今はそれぞれに落語会とか仕事がある」と、時代の流れを実感した様子。リーダーの任期は1年で、6人が4回ずつトリをとり、公演を回していくことになった。

 来年1月12日からスタートし、第2回の同26日分でトリを務める鉄瓶は「自分で出演者を決めるからには、絶対に楽しんで帰ってもらいたい。ありがたい」と話した。

 また、今年8月から、火曜日の午前10時開演で始めた「火曜の朝席」で責を負う笑福亭鶴瓶門下の笑福亭銀瓶(50)も、会見に出席。ここまでの平均動員は82・25人(客席216)で、100人を超えることも増え、じょじょに定着。銀瓶は「(来夏まで)1年頑張って、木曜とか月曜とか、じょじょに(朝席の)日数を増やしていきたい」と意気込んでいる。

 深夜寄席、朝席ともに、平均で80人前後の集客となっているが、朝席では銀瓶の師匠、鶴瓶が出演した日は満席に。深夜寄席でも、月亭方正が出演した際には150人が集まり、おりしもこの日、予定される深夜寄席には桂三度が出演することから、前売りで120席ほどが出ており、米団治は「やっぱりタレントはなし家が出たら、パッと入る。初めて落語を聴いてもらって、魅力を感じてもらえれば」と話していた。