宝塚歌劇団は15日、月組トップ娘役、愛希(まなき)れいかが、11月18日付で退団することを発表した。愛希は16日、兵庫県宝塚市の同劇団で退団会見を開く。

 愛希は、8月24日に兵庫・宝塚大劇場で開幕する「エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-」の東京宝塚劇場公演千秋楽をもって、退団する。

 もともと、娘役志望で宝塚音楽学校に入学した愛希は、身長が167センチまで伸びたため、09年に男役として劇団へ入団した。しかし、歌唱力やたたずまいから、入団後には、娘役への再転向を勧められるなどし、11年5月に娘役へ戻った。

 同8月には「アルジェの男」新人公演で初ヒロインの座をつかむと、同年11月にはバウ公演「アリスの恋人」で、明日海(あすみ)りお(現花組トップ)の相手役ヒロインにも抜てき。12年4月、前月組トップ龍真咲(りゅう・まさき)の相手役に迎えられ、娘役転向から1年足らずでトップ娘役に就いた。

 安定した歌唱力、ダンスと、柔軟な芝居心に磨きをかけ、15年4月には「1789-バスティーユの恋人たち」でマリー・アントワネット役を好演。男役出身らしい強さを内に秘め、はかなげなルックス、かれんさでファンを魅了。昨秋、龍の退団後は、新トップ珠城(たまき)りょうの相手役として、6年7カ月の長きに渡り、トップ娘役を務めてきた。

 最近の劇団では、星組元トップ柚希礼音(ゆずき・れおん)の相手役、夢咲(ゆめさき)ねねが6年13日長期在位だったが、愛希は夢咲を超える任期となっている。