松竹芸能(大阪市中央区)は16日、13年に5年ぶりに道頓堀へ復活させた「道頓堀角座」を7月末で閉館することを発表した。

 オーナー側との5年間の契約期間満了にともなうもので、すでに同社は所属タレントへ説明を進めており、大阪市内に新たな活動拠点となる劇場候補地を探している。同時に本社も同劇場内から本町へ移転する。

 同社は「移転を大きなチャンスとして、新たな時代のお笑い、エンタメを創造できる企業に成長するため、前進していく機会にしたい」とコメントした。

 角座は、江戸時代から「浪花(なにわ)座」「中座」「朝日座」「弁天座」とともに「道頓堀5座」のひとつとして親しまれ、芝居・演芸の街、道頓堀の象徴のひとつとしてにぎわった。かしまし娘ら、昭和の上方演芸を彩る芸人が出演する本拠地として、活用されていたが、84年に閉館した。

 5座をめぐっては「朝日座」「弁天座」に続き、平成以降も継続していた「浪花座」「中座」も相次いで閉館。5座が消滅した後、04年には「B1角座」として、角座ビル地階に“角座”を復活させたが、08年5月に再び閉館。13年7月、同じ道頓堀の別場所に「道頓堀角座」として、5年ぶりに「角座」の名称を復活させていた。

 松竹芸能は、今回の閉館にともない、劇場拠点を大阪市内の別場所へ移す方針で、同時に「松竹グループをあげて大阪の芸能を盛り上げていきたい」としている。今夏以降は、歌舞伎公演などを上演する大阪松竹座での大規模な落語会や、松竹芸人によるイベントなども計画している。