今春、宝塚歌劇団に入団した104期生40人が19日、兵庫県宝塚市の稽古場で、初舞台で披露する新入団生恒例のラインダンスを公開した。

 104期生は27日に宝塚大劇場で開幕する星組公演「Killer Rouge(キラー ルージュ)」で、ラインダンスを披露する予定。そろいの黒いレオタードにタイツ姿の40人は、森山直太朗、コブクロら「桜」にちなんだJ-POP、唱歌のメドレーにあわせ、約4分45秒の振付を披露した。

 ショータイトルは星組トップ紅ゆずるにちなみ「ルージュ(紅)」がついていることから、今年のテーマは「紅桜」。40人は「紅桜」を両手に、稽古場を左右前後に踊りながら乱れず動き、終盤は足上げが連続するハードな振りにも、笑顔を絶やさず踊りきった。

 足を高く蹴り上げる通称「ロケット」は、ナンバーの終盤に用意され、首席入団の男役・碧音斗和(あおね・とわ)は「体力的には最後の足上げは『(初舞台で)うれしい』から『頑張ろう』という気持ちに変わります」と、本音も吐露。

 次席の男役・真白悠希(ましろ・ゆうき)は、最初で最後の同期全員での舞台に「40人では最初で最後なので、大きな桜を咲かせられたらと思っています」と、汗を流しながら語る。

 ラインダンスの途中には、40人が3組に分かれたフォーメーションで、「104」の人文字を作る場面もある。自主稽古も含めて、朝から晩までのレッスンが続き、次々席の男役・真弘蓮(まひろ・れん)は「最後まで笑顔で演じられるように、稽古でも(個別ではなく、全編を)通すことを意識してやっています」と話した。

 今年の104期生は、成績上位3人までが男役。入団後の3月上旬から1カ月以上、稽古に励んできた。演出を担当する斎藤吉正氏、振付を担ったOGの若央りさは、今期の個性に「強さ」「たくましさ」をあげた。例年、激しいレッスンでケガをして一字離脱する生徒や、初舞台に立てない生徒が出ることも多いが、今年は開幕まで約1週間と迫ったここまで、大きなケガもなく、40人がそろって稽古を続けてきた。

 斎藤氏は「とても個性的でたくましく明るい(104期の個性の)上に、この1カ月で強い精神力がついてきた」と評価していた。