新派の11月特別公演「犬神家の一族」(11月1~10日、大阪松竹座)の取材会が27日、大阪市内のホテルで行われ、女優水谷八重子(79)、波乃久里子(72)ら出演者が出席した。

故横溝正史氏原作の長編推理小説で、何度もテレビドラマや映画、舞台化されている不朽の名作。

今年、創始130年を迎えた新派が、脚色・演出に斉藤雅文氏を迎え、記念公演として上映する。

犬神家の長女・松子を演じる波乃は同作の印象について「『湖面に2本の足』『マスク』『(76年同映画版で松子を演じた)高峰三枝子さん』」と名場面など3つを挙げた。

出演にあたり、名演を見せていた高峰に似せたメークを練習したというが「(私の)鼻が低すぎる、だからやはりムリ。美から行かないことにして、原作から行くことにしました」と笑いを誘った。

斉藤氏に勧められ初めて読み始めたという原作は、あと2ページで読み終わるといい、「すごく面白い」と感動していた。

琴の師匠・宮川香琴を演じる水谷は「(斉藤氏が)新派にひとつの路線を作ってくださった。それは『新派エンターテインメント』というべき路線」と、「怪人二十面相」「黒蜥蜴(とかげ)」などを手がける斉藤氏の手腕に言葉を送っていた。

自身の役どころについては「大木を鋭い爪でひっかくという役。私に合っているのではないかと思っております」と意気込んでいた。

東京・新橋演舞場(11月14~25日)でも上映される。