石川さゆり(60)は3年連続で紅組のトリを「天城越え」で飾った。

ギタリスト布袋寅泰(56)とコラボレーションで、30人の和楽器隊も従えて新しい「天城越え」を披露した。

石川は「日本って、歌って、日本人って良いよねと思える歌を歌います」と曲を紹介。ゲスト審査員の出川哲朗は「これが本当のヤバイよ、ヤバイよだ」と興奮していた。

布袋は最初、石川と距離を取っていたが、やがて横に並んでセッション。時折、エビぞりになってギターを奏でるノリノリの光景もあった。

共演のきっかけは先月、都内で行われた布袋のライブを見た石川が、ダイナミックな演奏にほれ込んだこと。すぐに電話をかけて直談判して実現した。リハーサル時は「伝統的なすばらしいものに布袋さんのギターで、何か面白いことをと考えました。日本中の皆さんに楽しんでもらいたい」と“化学反応”を楽しみにしていた。

石川は、これまでも異分野との交流や触れ合いを成長につなげてきた。メジャー通算安打3000本の偉業を達成したマリナーズ会長付特別補佐イチロー(45)との親交も有名だ。

女優としての主演舞台で、故北の湖親方に稽古をつけてもらったこともある。劇中に落語の場面があると立川志の輔に指導を受けた。「やるからには中途半端なものをやりたくない」。異分野とのコラボは、現状維持を望まない石川のこだわりでもある。紅組最多となる41回出場という実績を支えているのは、そうしたどん欲な好奇心かも知れない。