女優広瀬すず(20)が、ヒロインを務める次期NHK連続テレビ小説「なつぞら」(4月1日スタート、月~土曜午前8時)の放送を目前にひかえ、同作への思いや意気込みを語った。同作では初めて母親役に挑戦する。

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-まずは戦災孤児で、北海道の養父母のもとで育ち、いずれアニメーターに挑戦する主人公なつをどうとらえているのか

広瀬 養父母とは家族だけど血はつながっていない部分でいろんなことを感じながら生きてきたと思います。そこはベースとしてあっても、すごい優しい。いろんな物に愛情がすごくあるヒロイン。好きなアニメにも、人や動物、目に見える物全部に愛情がある。自由奔放な瞬間もあるけど、みんな、なつの力になりたいと思う。なつは、ぱっと明るい太陽のような存在。

-お母さん役に初挑戦することになる。どんな気分か

広瀬 私自身、子供が大好きなので、なつの幼少期を演じる子役(粟野咲莉)も自分が産んだんじゃないかと思うぐらいかわいくて仕方ないんです。それくらい子供が大好き。知人の子供にも、どうしても好かれたくて、めちゃくちゃこびをうります(笑い)。自分の女性としての母性がだだ漏れだろうなと思います(笑い)。今、一番、ワクワクしています。いい経験になると思う。朝ドラならではですよね。10代から50代を演じる。想像ができなくて、どうなるのか楽しみ。心配はしていません。

-これまで演じた最高齢は

広瀬 20代までですね。自分が本当のお母さんからもらいたかったものとか、養母富士子さん(松嶋菜々子)からもらったものを自分の子供にあげたいなとずっと思っていて。そういう部分を大切に、子供に自分の道を切り開いて幸せになってほしいと思っています。なつが子供の頃に感じたことも、感じられなかったことも、その子には届いてほしい。

-すでに母親気分だが、クランクアップ後の楽しみは何だろうか

広瀬 もう台本を読まないです。休みの日も何十冊も持って歩いています。1日では読めないくらいの量。台本を読まないで2、3日でいいからすごしたい。遠出したい。(NHKのある)東京・渋谷を通り過ぎたい(笑い)。

-自身にとってどんな作品になると思うか

広瀬 自分は経験がゼロじゃないし、ど新人じゃないとは思っていて。だからこそ試されている気にもなるし、踏ん張り時とか、頑張ったら何かが変わるかもなと思ったりしています。これまで学生の役が多く、制服を着て青春をする役が多かったから、全くそうじゃない年齢を演じたりする環境の中、どれだけ届けられる物があるか、踏ん張り時だなと思います。ここまで濃密で長いと達成感もある。自分にとって大きな作品になると思います。

多忙で大変な朝ドラのヒロインを務めながらも「現場を明るくできたり、現場に力を注げるのはヒロイン」とさらりと語る。女優としてのしっかりしたハートを持ち、明るく元気。そばにいると、まぶしいほどキラキラしていた。【中野由喜】

 

◆広瀬(ひろせ)すず 1998年(平10)6月19日、静岡県生まれ。姉アリスの所属事務所にスカウトされ、12年にミスセブンティーン。13年フジテレビ系「幽かな彼女」で女優デビュー。15年日本テレビ系「学校のカイダン」で連続ドラマ初主演。同年映画「海街diary」で日刊スポーツ映画大賞新人賞。17年「ちはやふる」で映画単独初主演。特技はバスケットボール。趣味は音楽鑑賞。好きな食べ物はニラ。159センチ。血液型AB。

 

◆NHK連続テレビ小説「なつぞら」 戦争で両親を亡くし、父の戦友の養女として引き取られたヒロイン奥原なつ(広瀬すず)が、北海道を舞台に豊かな想像力と開拓者精神を生かし、アニメーターを目指す姿を描く。脚本家大森寿美男氏のオリジナル作品。なつの養母を松嶋菜々子、養父を藤木直人が演じる。養母(松嶋)の父を草刈正雄が演じる。