世界的ファッションデザイナーのコシノヒロコ(82)、ジュンコ(79)、ミチコ(76)の3姉妹が26日、大阪府岸和田市の生家に27日にオープンする母の故小篠綾子さん(享年92)の名前を冠した「アヤコ食堂」の記者会見を行った。

この日は06年に亡くなった綾子さんの命日。午前中にお墓参りをした長女ヒロコは「お母ちゃんはおいしいものをよく知っていた」。3姉妹が大好きだった卵焼きなどの味覚を懐かしそうに振り返った。

次女ジュンコは「ここにこうやって帰ってくることができるのもお母ちゃんのおかげ。(生家が)新しくよみがえった」と喜んだ。三女のミチコは「命日に新しいことが始まる。私にとっては願ってもいなかったことが実現した」と笑顔を見せた。

同食堂は定食店「まいどおおきに食堂」などを展開する外食チェーン、フジオフードシステム(大阪市)が運営。会見に出席した同社の藤尾政弘社長は「みなさんに笑顔と幸せを届けたい」と意気込んだ。地元・岸和田の食材を使った料理も提供し、観光客だけではなく、地元の人にも親しまれる食堂を目指すという。綾子さんは自らもデザイナーとして活躍し、昭和初期、大阪府岸和田市にコシノ洋装店を開き、夫を戦争で亡くしながらも育児と仕事に奔走し「ゴッドマザー」と親しまれた。綾子さんをモデルにしたNHK朝の連続テレビ小説「カーネーション」(11年)が放送された。