兒玉遥(22)が6月9日、HKT48から卒業し、10日からエイベックスグループの芸能事務所「エイベックス・アスナロ・カンパニー」に所属、女優としてソロで再始動した。

卒業を明かすインタビューで、「インタビューを受けること自体、すごく久しぶりです」と話していた。緊張気味で、慎重に言葉を選ぶ場面もあった。途中で何度も、繰り返した。「とにかく、ファンの方に…」。終始一貫していたのは、ファンを思う気持ちだった。

11年7月にHKT48の1期生オーディションに合格。中心メンバーとして活躍し、時に舌足らずでおちゃめな一面を持ち、無邪気な笑顔でファンから愛された。15年の第7回選抜総選挙で、16位以上の選抜入りが期待されながらも17位に終わった。翌16年の第8回選抜総選挙では、9位にランクインして念願の選抜入りを果たした。毎年、大きなファンの愛を、身をもって感じていた。

だが、17年2月から体調不良で活動を休止し、1度は復帰したが同年12月から再び長期休養に入った。「自分で自分のストレスに気づけなかったんだと思います。いろいろ重なって、キャパオーバーになってしまいました」と説明した。人気絶頂のAKB48グループの中で、天真らんまんに活動しているように見せながら、心身に負担がかかっている部分があったのだろう。関係者は「とても真面目で、自分の立場や責任についてすごく考えるタイプ。あっけらかんとしているようで実は悩んでいた、ということもある」と話した。

結果的に、HKT48で卒業公演などは行わなかった。「すごく悩んで考えてきました。ファンの方には、長い間お待たせして申し訳ないです」とうつむいた。その上で、「それでも待ってくださっている皆さんには本当に感謝です。突然の発表で驚かれるかもしれませんが、これからも皆さんとの関係を大切にしたいです。まだ全然決まっていないですけど、またファンの皆さんと一緒にできることをどんどん考えたいです!」と前向きに話した。

卒業後初仕事として、舞台「私に会いに来て」(9月13日初日、東京・新国立劇場小劇場など)の出演も決まった。「舞台だから、ファンの方も近くで直接見ることができるし、すごく楽しみです」と笑顔を見せた。

ファンからの愛をいっぱいに受けて育った福岡の少女は、大学を卒業する年齢を迎え、大きな決断をした。さらに愛を受けながら、そして愛を返しながら、女優として花を咲かせる。