300万円で製作されたインディーズ映画ながら、興行収入31億円超と日本映画史に残るヒットを記録した18年の映画「カメラを止めるな!」(上田慎一郎監督)公開1周年前日となる22日、都内で前夜祭とスピンオフドラマ「カメラを止めるな! スピンオフ ハリウッド大作戦!」(中泉裕矢監督)DVD発売記念イベントが行われた。

上田慎一郎監督(35)は「カメ止め」公開から丸1年の感想を聞かれると「いやぁ…本当に1年なのか? という感じがしますけど。10年くらい生きていたのかというくらい、密度の濃い1年でした」と感慨深げに語った。

「カメ止め」は、新人監督と俳優を養成する「ENBUゼミナール」の映画企画第7弾で、上田監督が17年4月にオーディションでメインキャスト12人の俳優を選びワークショップを開催。17年11月に東京・新宿K'sシネマで6日間、行った6回限定のイベント上映で評判を呼び、18年6月23日に同劇場と池袋シネマ・ロサで封切られた。その後は、上田監督と俳優陣が連日、舞台あいさつを続け、作り手と観客がSNSによる口コミで映画を広げ、全国375館にまで拡大公開された。

上田監督は、「カメ止め」で助監督を務めた中泉裕矢監督(39)とスチール担当の浅沼直也氏(34)と共同監督を務めた「イソップの思うツボ」と、自らの新作「スペシャルアクターズ」の製作に取り組んでおり「-ハリウッド大作戦!」では総監督と脚本を務め、中泉監督に監督を任せ、撮影現場を託した。そのため「新作の準備があって、ちょっと離れた時期があった」と語るように、舞台あいさつも久しぶりだったため、壇上で時折、かむ場面があった。「久しぶりの『カメ止め』イベントであがっています」と苦笑いした。

イベント終了後も、「カメ止め」公開1周年前夜の22日はイベントが続く。ファンから“聖地”と呼ばれる新宿K'sシネマで公開1周年記念上映、池袋シネマ・ロサで1周年記念オールナイト上映が行われる。この日、登壇した真魚、濱津隆之、しゅはまはるみ、秋山ゆずき、ド・ランクザン望、チャールズ・グラバー、市原洋、吉田美紀、藤村拓矢、大沢真一郎、曽我真臣、山口友和、浅森咲希奈、久場寿幸の俳優陣の中には、イベントを“はしご”する面々もおり、PRなど盛り上げにも余念がなかった。