吉本興業所属のロンドンブーツ1号2号田村淳(45)が1日、都内で、キャラクターマネジメント会社「株式会社がちキャラ」の設立会見に出席した。

闇営業に参加して金銭を受領していたことから謹慎処分となっている相方の田村亮(47)に対して会社側と話し合うように進言したことを明かした。吉本興業には、後輩芸人たちが早期復帰できるよう道筋を立てることを要望した。

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相方の不祥事に胸を痛める淳が記者会見で亮に対する叱責(しっせき)と励ましの言葉を投げかけた。本来は自身が手がけるキャラクターをマネジメントする「株式会社がちキャラ」の設立会見。しかし、質問は相方の近況と、吉本興業の“お家騒動”に終始した。

「このタイミングで会見は迷ったんですが、5時間半かからないように頑張ります。念のためテープはしっかり回してください」。先月22日の岡本昭彦社長(52)の会見をいじりながら、紳士に質問に答えた。

淳は「いろいろな問題があるけど、事の発端は亮さんがうそをついたこと。1度、関係が壊れて不信感が生まれた。そこは吉本さんに任せたい。今は吉本が全力でアプローチしている。そこは僕もノータッチ」と現状を説明。その上で「亮さんも、(会社との交渉に)応えていいものか悩んでいる。僕としては『交渉の場には行きなさいよ』と」。そう亮に呼びかけている。一方で吉本興業に対しても「ファミリーだと言うのなら、ファミリーとして扱ってほしい」と注文をつけた。「僕自身はファミリーじゃなくていい派。契約書でドライにやっていきたい」とも話した。

亮とは毎日のように電話で話しているという。「お年寄りに『こういう詐欺があるから気をつけてください』と呼び掛ける啓蒙(けいもう)活動の準備をしている。僕は手を貸さない。亮さんが詐欺をしたわけではないけど、間接的に金を受け取ってしまったのだから」。

亮らと「田村興業」のようなものをつくる構想については「全くございません。芸能プロの切り盛りは無理。僕は吉本興業に育ててもらったし、ロンブーを守りたいだけ」と否定した。亮と宮迫の復帰については「今は、いろいろなメディアがある。ネットテレビとかSNSとか、いろいろな方法で頑張って」と自助努力を促した。

2人以外の謹慎中の若手芸人とは直接、話し合って5キロの米俵を差し入れた。「後輩たちの謹慎の出口だけは作ってやってほしい。僕も経験があるが、出口が見えないとメンタルをやられる」と心配した。

若手の報酬の少なさ、契約関係の曖昧な点など、次々と明らかになった会社運営のずさんさも騒動を拡大している。「会社として反省して、全力で動いているのを感じている。元に戻ると信じている。いい方向に向かってほしい。僕は残ります」。同僚の将来を憂い、会社の再生を願った淳の切実な声が会見場に響き渡った。【小谷野俊哉】