立て続けに著名人の薬物事件がニュースとなった。元タレントで団体職員の田代まさし容疑者(63)は6日、覚せい剤取締法違反(所持)の疑いで宮城県警に現行犯逮捕された。薬物では5度目の逮捕となった。

同じく6日、元五輪スノーボード男子代表のプロスノーボーダー、国母和宏容疑者(31)が米国から国際スピード郵便で大麻を密輸したとして、大麻取締法違反(営利目的輸入)の疑いで関東信越厚生局麻薬取締部に逮捕された。

さらに、8日にはNHKの子供向け番組に「歌のお兄さん」として出演していた清掃作業員の沢田憲一容疑者(50)が覚せい剤取締法違反(使用)などで大阪府警に逮捕されていたことも分かった。沢田容疑者は昨年9月、覚せい剤取締法違反(使用)容疑で逮捕され、同12月に東京地裁で懲役1年6月、執行猶予3年の判決を受けている。

田代容疑者と沢田容疑者は再犯ということもあり、あらためて薬物の怖さと薬物を絶つ難しさを世間に知らしめることとなった。薬物から立ち直ろうとしている多くの人が「薬物を克服できたとは思っていない。今でも毎日が戦いだ」と言う。田代容疑者も講演活動などで同じ趣旨のことを語り薬物の恐ろしさを訴えていた。一方で、積極的に表に出て活動することを危惧する人もいたし、昨年頃から挙動不審を指摘する関係者もいた。

あるダルク関係者は「『自分は中毒にならない』と軽い気持ちで使ってしまうと、あり地獄のように引きずり込まれて、一生、薬物との闘いになる」と語る。その上で、「違法薬物は身近に手に入る。当たり前のことだが、やったことない人には、『絶対にやってはダメ』と言いたい」と力説した。