中川家、海原やすよ(44)ともこ(48)の兄弟、姉妹漫才コンビが1日、大阪・なんばグランド花月(NGK)で、寄席興行でトリを務める「新看板」に就き、そのお披露目公演を行った。

「やすよともこ」は、姉妹そろって黒い衣装に身をつつみ、「大阪の人間」をテーマにしたネタで爆笑。ともこが、後輩「ミルクボーイ」をつかみに使って「ありがとうございます~新看板いただきました」とコメントした。

一方の中川家は、弟の礼二が「トリをとらせていただくことになりました」とあいさつ。新幹線のトイレ、大阪の「おっちゃん」「おばちゃん」ネタや、おなじみのモノマネも演じ、安定したネタ運びで、場内をわかせた。

この日の記念興行で、2組の「新看板」を紹介したのは、昭和の看板漫才師、西川きよし(73)だった。

この日の興行は、きよしの漫談でスタート。真っ先にセンターマイクの前に立ったきよしのステージ上には、両コンビの「新看板お披露目特別公演」の看板があった。きよしはこれを見上げつつ、故横山やすしさんとの漫才を始めたころは「トリにあこがれていた」と語った。

きよしは「これから、この2組も責任重大です」とあいさつし、出演者を紹介。1回目の興行はきよしの後、かまいたち、霜降り明星、桂小枝、和牛、笑い飯、ザ・ぼんち、オール阪神・巨人に続いて「やすよともこ」が登場し、中川家が締めた。2回目公演は先に中川家、トリは「やすよともこ」が務めた。

きよしは「トリを務める人は兄弟が多い」といい、中田ダイマル・ラケット、夢路いとし・喜味こいし、かしまし娘ら“レジェンド”の名前をあげ「この2組もきょうだい。この後はミキ、吉田たちがくるかもしれない」と話した。

初代M-1グランプリの中川家、上方女性漫才師の先駆、故海原小浜さんを祖母に持つ「やすよともこ」は、ともに92~93年に漫才デビュー。やすよともこは中田ボタンに師事し、中川家はオール阪神・巨人らの話芸に魅了され、漫才の道へ入った。

2組とも若手時代から、卓越した話芸に定評があり、上方王道のしゃべくり漫才へと順調に成長。ついに笑いの聖地、NGKでトリを務める“看板”漫才の地位に就いた。

吉本興業はこの日の公演を最後に、3月2日から、新型コロナウイルスによる感染拡大防止のため、当面の間、直営劇場などを閉館する。