NHKは3日、制作局の20代男性ディレクターA氏が昨年7月から約半年間にわたり、飲食店の運営に関わっていたとし、停職2カ月の懲戒処分を10日付で発令すると発表した。NHKでは原則、副業が禁止されている。

A氏は当時、札幌放送局に勤務しており、札幌市内でバーを知人とともに経営していた。関係者によると出資もしていたという。

A氏は一昨年8月に、道内の飲食店のリポートを担当しており、その取材の過程で得た情報の一部を、知人と共有していたという。同局は、A氏が上司にも報告せず、取材で得た情報を副業に利用したため「公共放送の職員として許されない行為であり、NHKの信用を失墜させた責任は重いと判断した」としている。

A氏は現在は東京勤務。同局の事情聴取に「自分で問題ないと判断していた。軽率な行動でご迷惑をおかけしました」と話しているという。別の関係者によると、店の運営はうまくいっておらず赤字だったようだ。現在は閉店している。

NHK広報部は「関係者や視聴者の皆さまに、深くおわびいたします。職員倫理の徹底をあらためて図ってまいります」とコメントした。