尾道3部作と呼ばれる映画「転校生」「時をかける少女」「さびしんぼう」などで知られる映画監督の大林宣彦(おおばやし・のぶひこ)さんが、肺がんのため、10日午後7時23分、東京・世田谷の自宅で亡くなった。82歳。葬儀、告別式は家族葬で執り行い、後日お別れの会を予定している。

新作「海辺の映画館 キネマの玉手箱」が今月10日に公開予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、公開延期になっていた。新作とともに参加する予定だった2月の尾道映画祭も中止になった。同作は近日公開を予定している。

16年に肺がんを患い、余命3カ月を宣告されたが、闘病をしながら映画製作を続けてきた。妻で映画プロデューサーの大林恭子さんと最後まで二人三脚だった。

広島県尾道市生まれ。幼いころから映画に親しみ、成城大時代から本格的に映画を撮り始めた。CMディレクターをへて、77年「HOUSE」で商業映画の監督デビューを果たした。

「ねらわれた学園」や、尾道3部作などヒット作を手掛け、92年「青春デンデケデケデケ」で日本アカデミー賞優秀監督賞を受賞した。04年に紫綬褒章、09年に旭日小綬章を受章。昨年、文化功労者にも選ばれた。

◆大林宣彦(おおばやし・のぶひこ)1938年(昭13)1月9日、広島県生まれ。CMディレクターを経て77年「HOUSE」で商業映画監督デビュー。その後「ねらわれた学園」「転校生」「時をかける少女」「さびしんぼう」などを発表。92年「青春デンデケデケデケ」で日本アカデミー賞優秀監督賞。04年に紫綬褒章、09年に旭日小綬章を、19年に文化功労者を受章。