岡江久美子さんは75年にデビュー以来、ドラマ、バラエティー番組などで活躍し、明るく元気なイメージをお茶の間に残した。96年にスタートしたTBS系「はなまるマーケット」では薬丸裕英(54)とのコンビで“朝の顔”として親しまれた。番組終了後も交流を続けたという元番組スタッフらは「誰からも愛されていた」という岡江さんをしのんだ。

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「はなまるマーケット」の元番組スタッフの男性は、突然の訃報に「とにかく元気な人で、疲れを見せたこともなかったのに…」と絶句した。岡江さんは同番組が放送された17年半の間、1度も病欠することはなかった。

番組を通じて知り合い、番組終了後も定期的に会食をする関係で、最後に会ったのは昨年秋だったという。「乳がんだったことは、知り合いにもほとんど言ってなかったのでは。コロナに感染していたことも知らなかった。数日前、最近連絡がないので『どうしているかな?』と考えていたところだった」と明かした。

96年9月、岡江さんは薬丸とのコンビで同番組の顔に抜てきされた。関係者などによると、同年春、同局はオウム真理教をめぐる不祥事でワイドショーを廃止、時事問題や芸能ニュースを扱わない「生活情報番組」を編成することになり、当時、子育てが一段落した岡江さんに声が掛かったという。岡江さんは同局のドラマ「お美津」の主演で芸能界デビューしており、縁のあるテレビ局だった。

「はなまるマーケット」の現場では「きちんとしていて、天真らんまん。こんないい人がいるのかと共演者やスタッフ全員が思うくらいで、好かれていた」という。プライベートでも「ざっくばらんな方で、ふらりと街中を歩いて居酒屋に入っていくようなタイプ。義理のお兄さんの大和田伸也さんを含め、一族みんなが仲良く、会話でも家族の話をよくしていた」と岡江さんの人柄をしのんだ。